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2021.06.25
中野セントラルパークからも徒歩圏内、総レンガ「旧豊多摩監獄表門」が中野区有形文化財に指定
中野セントラルパークから徒歩5分、けやき通りを北上した東京都下水道局の手前にあるレンガ造り建築の「旧豊多摩監獄表門(旧中野刑務所正門)」(通称=平和の門、中野区新井3-37)が中野区有形文化財に指定されました。 この門は大正期を代表する若き天才建築家・後藤慶二の現存する唯一の作品だそうです。中野区によりますと、明治期の西欧の模倣から脱却して近代の新たな建築様式を模索し始めた明治期から大正期の建造物であって、わが国のれんが造り建築の技術的・意匠的到達点を示すものとして重要とされるといいます。関東大震災や第2次世界大戦の戦災をくぐりぬけ残されていることも、地域の遺産として貴重との判断で、中野区教育委員会が有形文化財指定を行いました。 ちなみに豊多摩監獄は、小説「蟹工船(かにこうせん)」などを残したプロレタリア作家・小林多喜二、無政府主義者の大杉栄や哲学者の三木清ら政治犯や思想犯が多く収監されていました。「平和の門を考える会」の人たちによりますと、「後に中野刑務所となり、近年この門の保存か取り壊しかの論争になったとき、文学や歴史など学問と深く結び付いている門で、戦争の社会的背景や平和の意味を学ぶために必要不可欠な門であることで、いつしか『平和の門』と呼ばれるようになりました」とのことでした。 現在、同じ敷地内でとなりにある平和の森小学校の新校舎建設に当たって、この門の保存計画などが進んでいて、約100メートル西側に曳き家(建物を壊さずずらして移動させる手段)による移築計画が検討されています。 通称「平和の門」、中野区内では数少ない文化財となります。北側のたたずまいは側道から見ることができますので、ぜひその目で重厚感あふれる監獄門をお確かめ下さいね! リンク:旧中野刑務所正門が区文化財に指定(中野区) https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/211500/d030729.html