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2021.03.05

歴史民俗資料館の『おひなさま展』体験レポート

現在江古田の中野区立歴史民俗資料館では《おひなさま展》を開催しています。 今回は展示から学んだおひなさまの魅力をご紹介します!   ●おひなさま展の歴史 平成元年にオープンし、その翌年から開催しているおひなさま展。展示しているひな人形は中野区にお住まいの方等が寄贈したものだそうです。今回、8組が新たに寄贈されました。 こちらは江戸時代の江古田村の名主である山﨑家から寄贈された資料の一部で、6代に渡り受け継がれたひな人形です。中には250年以上も前の人形も。 寄贈した方が展示を見に来る事もしばしば。 思い入れのある人形がこうして綺麗に飾られるのは嬉しいですよね。   ●ひなまつりの歴史 ひな祭り・ひな人形の起源は3月の最初の巳の日(上巳)に、自分の穢れを「人形(ひとがた)」に移して祓う中国の風習と、公家や宮中でままごと遊びとして行われていた「ひいな遊び」が合わさって出来ました。 元々穢れを払う事が目的であったため、最初は見慣れている内裏雛(男女一対)の人形と限られたものではなかったそうです。 紙で作った形代や羽子板の形のようなもの、男女でも父と娘という場合もあります。 江戸時代には様々な人形が作られるようになり、流すものから鑑賞型になったと言います。 また、おひな様を仕舞う時期が遅れると嫁入りが遅くなってしまう!という言い伝えがありますが 考え方は地域によって様々だそうなので、あまり気にしなくてもいいそうです   ●おひなさまの並べ方 皆さん、ひな段に並べられたひな人形を思い描いてください。 誰がどこにいるか、なぜその並び方なのかご存知でしょうか? 意外にも男雛女雛の並べ方に決まりはありません。伝統的に日本では左(向かって右)を上位とし、向かって右に男雛、左に女雛を並べていました。 現在店頭で見かけるひなはその逆で、結婚式の新郎新婦の並びのように、西洋の右を尊ぶ並び方です。一説には昭和天皇の即位式で、向かって左に天皇、右に皇后が立っていたので、それにならい東京の雛業界がひなの左右を決めたともいわれます。 そして2段目に三人官女、3段目に五人囃子、4段目に右・左大臣(御殿の中に飾られる事もあります)、5段目に仕丁、6段目に雛道具、7段目に重箱や御駕籠を置きます。 泣き・笑い・怒りの表情で作られることの多い仕丁。位の付いていない平民との事で、楽な座り方をしています。 鶴が硝子に描かれた雛道具 ドールハウスのグッズのような茶の湯道具。手作りを飾る家庭もあるそう。 重箱と御駕籠 江戸城で飼われ、大名らにも愛玩されたチンという犬を連れているひな人形も。おしゃれ!   ●ご当地おひなさま こちらは福岡県柳川市の吊るし雛です。女児の幸せな成長祈願をこめた飾り物で、現在でも手作りを飾るお家もあるのだとか。中央に柳川毬があります ちりめんで作られた一つ一つの飾りにも意味があります。 (海老・鶴・亀=長寿、桃の実=延命と魔除け 這う子=病が去る・難が去る 等) 中にはその時流行ったものが紛れ込んでいる事も。 こちらは長野県松本市で作られている押絵雛(おしえびな)です。(右下は新寄贈品) 型紙の上に綿を乗せて膨らみを出し、布で包んで作られています。 形も様々なひな人形 また、2年ぶりの開催となる今回は、中野区シティプロモーションキャラクター《中野大好きナカノさん》とのコラボレーションが実現。 資料館の入り口付近では可愛いちびナカノさんがひな段に並んでお出迎え。 ちびナカノさんがとっても楽しそうにひなまつりをお祝いしています。 土日には1階の受付前にナカノさんがやってきます! いかがでしたか? おひなさまってそんなに奥が深いのね!と思った方が多いのではないでしょうか。 中野区立歴史民俗資料館の『おひなさま展』は3月14日(日)まで開催しています。 表情豊かで細部まで工夫と思いの詰まったおひなさまたちに会いに行ってみてはいかがでしょうか。 感染症対策や展示詳細については以下URLをご覧ください。 https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/211500/d030055.html